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「近いうちに国民の信を問う」という言葉は詭弁だったのでしょうか。 先月29日 臨時国会が開かれました。 それに先立って野田佳彦首相と自民党の安倍晋三総裁、公明党の山口那津男代表による3党党首会談が19日開かれました。 自公は首相が8月に谷垣禎一前総裁と約束した「近いうち」の意味を質しましたが、首相はそれに一切答えず、秋の臨時国会での懸案処理を頼むのみ。もはや民主党云々でなく、首相の人間性そのものが疑われる事態です。 首相にもう1度、「近いうち」と約束した当時の環境を思い出して頂きたい。 民主党では、マニフェストに明記しなかった消費税増税に反発し、法案の衆院採決で57議員が造反しました。 民主党の賛成だけでは過半数に達せず、自公の協力なしには否決されていたのです。 成立と引き替えに約束したのが「近いうち」。 本来公約違反の増税をするのですから、法案を通す前に国民の信を問うのが常道ですが、 谷垣さんが国益を考え「近いうち」という条件を付けたうえで、政治生命をかけて協力しました。 「近いうち」の約束から既に2カ月。日本語で「近いうち」といえばどんなに長くとも数週間でしょう。 首相の裏切りで、谷垣さんは総裁選再出馬の断念を余儀なくされました。 首相は谷垣さんの政治生命をむしり取り、自分だけ権力の座に留まろうというのでしょうか。 私と首相はかつて一時期、同じ釜の飯を食べた仲ですが、こんな人ではなかったはずです。 この期に及んで民主党が解散時期を明示せず、さらなる法案処理を頼むなど言語道断。 ある新聞社の世論調査で野田内閣の支持率はついに2割を切りました。 国民の皆様は民主と自公、どちらが正しいかを冷静に判断しているのです。 もはや首相の真意は、国民生活を顧みず、民主党議員を延命させることだけだと断ぜざるを得ません。 首相は来年度の予算編成にも意欲を示していますが、谷垣さんとの党首会談では「来年度の予算編成は自らの手で行わない」という趣旨の発言をしていました。 通常晩秋から予算編成作業が本格化するので、首相はその前の解散を言下に伝えたはずでした。 首相が強引に予算編成に取り組んでも、衆院議員の任期は最長で来年8月。 どのみち政権交代後に予算は組み替えられてしまいます。 年内の衆院解散・総選挙を行い、国民の信を得た新政権が来年度予算編成に着手すべきです。 自公は首相が「約束を守る」という小学生レベルの誠意を示さない限り、協力出来なくなります。このままでは赤字国債発行など懸案処理が滞ってしまいますが、解決の道筋を付けるのは、ひとえに政府・与党の責任なのです。 これ以上民主党政権が続けば、深刻な「政治空白」をもたらすのは明白。 首相が「民主党議員の生命が第一」の政治をするのか、「国民の生活が第一」という原点に戻るのか。 野田首相に一片の良識が残っているのなら、「近いうち」に末節を汚さぬ決断をすると思うのですが・・・。
平成24年11月5日
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