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自民党総裁選が9月26日に行われ、安倍晋三元首相が新総裁に選ばれました。 私は民主党を政権交代手前まで追い込んだ谷垣禎一前総裁の再選に向けて頑張っていただけに、 いくら安倍さんとは長い友人であるとはいえ、投開票後に並んでバンザイする谷垣さんと安倍さんを複雑な心境で眺めました。 しかしふり返れば、自民党の今後に明るい兆しを持てるいい総裁選だったと思います。何よりも、派閥や長老からの影響を打破して立候補した安倍さんと石破さんが、1位と2位を占めたからです。 安倍総裁は出身派閥の意向に反して出馬し、総裁就任後の記者会見で 「新執行部は派閥(のあり方)も変えていくということを示したい」と語りました。 決選投票を戦った石破茂幹事長も、派閥型政治の打破が信条です。 今回谷垣さんが不出馬に追い込まれたのは、自民党再生のためには派閥介入の人事はすべきではない、世代交代を進めるべき、と言うことを谷垣さんが実行したために、青木元参議院会長、古賀宏池会会長などから反発を受けたためであり、私も賛同しておりましたから責任があります。それだけに、今回の結果は自民党再生に好影響を与え、先週末のテレビ新聞等の世論調査では自民党の支持率が一挙に 10数パーセントもアップしておりました。 今回誕生した安倍総裁と石破幹事長の2トップは、党内の中堅・若手を支持基盤としており、谷垣さんが進めた時計の針を逆戻りさせないはずです。明朗な党運営によって老壮青すべての力をフル活用でき、自民党の潜在力は増す筈です。 新執行部が目指すべき最優先課題は、民主党政権を1日も早く衆院解散に追い込むことです。 日米同盟をおろそかにする民主党外交の失政で中国につけ込まれ、沖縄県の尖閣諸島問題が火を噴いています。また、民自公3党は消費税増税法成立で協力しましたが、民主党は付随すべき社会保障制度改革で「最低保障年金制度の創設」「後期高齢者医療制度の廃止」など、実現不可能な政策にまだこだわっています。 こうした民主党政権が1日でも長く続けば続くほど、国益が損なわれていくのは明白です。 野田佳彦首相は谷垣さんとの党首会談で「近いうちに国民の信を問う」と約束しました。しかし、9月の党代表選で再選後、衆院解散に後ろ向きな輿石東幹事長を留任させ、約束を反故にするそぶりも見え隠れしています。 激しい総裁選を経た自民党は、結果的に力強い挙党一致の態勢を手に入れました。秋の臨時国会では、谷垣さんが政治生命をかけて約束させた「近いうち」を実現するため、私は新執行部とともに心を鬼にする覚悟です。安倍さん流に言えば、それが「強い日本」を取り戻す最短路だと信じています。