衆議院議員えんどう利明

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 ロシア・ソチで行われていた冬季オリンピック大会が、17日間にわたる熱戦に幕を閉じました。  日本選手団は開幕当初こそ不調かと気を揉みましたが、終わってみれば1998年長野五輪の10個に次ぎ、歴代2位となる8個のメダルを獲得しました。私も寝不足になりながら、テレビの前で何度も手に汗。改めて選手団の努力に敬意を表したいと思います。   メダルには届きませんでしたが、私が大会期間中一番感動したのはフィギュアスケートの浅田真央選手でした。ショートプログラムでは深刻なスランプに陥り、フリーの演技には相当な重圧がかかっただろうと思います。浅田選手はそのプレッシャーを見事に跳ね返しました。最初のトリプルアクセルで改心の着氷をみせると、合計6種類の3回転ジャンプを1つ1つ丁寧にクリアしていきました。  アスリートとしての魂を込めた渾身の演技に、見ている私も心の奥底を揺さぶられました。人間は諦めてはいけない。どんなに困難な状況でもチャレンジしていくことの大切さが、浅田選手の手足の隅々まで染みわたっている気がしました。演技を終えた直後、「やり遂げた」という彼女の涙に、思わずもらい泣きしてしまったほどです。  浅田選手からは、メダルには代え難い感動と勇気をもらいました。これこそ人生を豊かにするスポーツの神髄です。「真央ちゃんのようになりたい」と思った子どもたちも多かったのではないでしょうか。まずは「ありがとう」と拍手を送りたいです。  大会では、男子フィギュア史上初の金メダルに輝いた羽生結弦選手、41歳でジャンプ個人ラージヒルで銀メダルを獲得した「レジェンド」葛西紀明選手、スノーボード・ハーフパイプで史上最年少の銀メダリストとなった15歳の平野歩夢選手など、多くの笑顔がはじけました。惜しくも4位に終わった女子モーグルの上村愛子選手が「私はやり切った。悔いはない」とさわやかな笑顔をみせていたのも印象的でした。  日本のスポーツ政策の観点からみれば、「メダル8個」という戦果は素晴らしかったのですが、喜んでばかりはいられません。今回のメダリストは新種目が多く、お家芸だったスピードスケートはメダルなしに終わるなど、選手強化の課題も浮き彫りになったからです。  企業に頼りがちだった選手強化のあり方などをもう一度見直し、「チームジャパン」が一丸となって戦えるような環境整備も進めたいと考えています。そのためにも、今、私が座長を務め進めている「スポーツ庁設置のPT」では強化がしっかり出来る体制整備を考えなければなりません。   大会運営面では、ロシア政府の並々ならぬ執念を感じました。懸念されていたテロは抑えられ、競技運営も円滑に行われました。ロシアの歴史を紐解く開閉会式は圧巻。やはり五輪には国の威信がかかります。2020年の東京夏季オリンピックも、世界に恥じないような大会となるよう準備を進める考えです。  私もソチで7日から始まるパラリンピック大会を視察する予定です。障害を抱えながら活躍するアスリートたちに声援を送り、現地で運営のノウハウも学んできます。

平成26年3月3日

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