えんどう利明に聞くQ&A
皆さんから寄せられたご意見・ご要望の一部を「えんどう利明に聞く Q&A」 として掲載させていただきます。寄せられたご意見には、すべて目を通し、貴重な資料として参考にさせていただきます。
現在、小学校の教員を目指している高校3年生の者です。教員免許の国家資格化はいかがなものでしょうか。国家資格化によって、優秀な教員を増やすことが目的ですよね。
一体、優秀な教員とはどのような教員でしょうか。難易度の高い国家試験で点数を取る教員でしょうか。私はそうだとは思えません。私が今になって「あの先生は良かったなあ」と思い返す教員は、学力がある教員というよりも、ユーモア、人間力のある教員です。
しかし、教員にも試験は必ずあるべきです。それが、現在も行われている採用試験なのではないでしょうか。
高校生が生意気なことを言っているのは承知です。しかし、私達の将来に関わることなので意見を送ってみました。言葉足らずで申し訳ございません。失礼致しました。
ご意見ありがとう。
まず、教師という重要な仕事に就くことをめざして頑張っているとの事、敬意を表します。
アメリカのオバマ大統領は、演説の中で「この国をよくしたいと思う若者は教師を目指してほしい」という趣旨のことを言っています。このことは日本ではよりいっそう当てはまる話だと思っています。資源の少ない日本では、人材こそが社会成長の原動力だからです。優れた人材をいかに輩出できるかで日本の将来が決まるといっても過言ではありません。是非とも教師になってください。あなたの夢が実現することを心から応援しています。
さて、「国家資格化」や「国家試験」で優秀な教師を確保することができるのか、というお尋ねです。
一部報道では、国家試験の実施などと報道されていますが、自民党の教育再生実行本部ではそういう事は提案しておりません。多くの都道府県教育委員会が、教員採用試験の学科試験の問題を作る作業が大変で、一次試験の問題作成を国が都道府県に代わってしてくれないかという要望を、マスコミが勘違いして報道したものです。
実際には、現在でも教職員免許法により、国の設定した過程を取得した事で教員資格として免許を有することが定められており、その意味では、今でもすでに国家資格なのです。
しかし、その免許状の交付者は都道府県教育委員会とされていますが、私たちが提案しているのは、免許資格を認定するのは国なのだから、都道府県教育委員会が交付するよりも文部科学大臣の交付にすべきということです。その理由は、教師の社会的地位向上のために、その資格に国家がより責任を持つべきということにあります。
先ほど触れましたが、人材育成は、社会全体、そして国家としての重要な仕事です。ひとつの都道府県だけの責任ではありません。その責任を再認識して、より有為な人材に教師を目指してほしいということにほかなりません。
試験に受かればよい教師というわけではありません。教師には、必要な知識や技能に加え、最も大切なのは、その社会的使命を深く自覚し、その仕事に熱意と責任感を持って取り組むその気持ちだと思います。その意味で、免許交付に必要な大学での単位取得でも、単なる知識だけではなく、そのようなことも幅広く学び、身につけることに力点を置いています。
また、各教員採用試験においても、2次試験などで人物重視の試験(小論文、模擬授業、面接、取組実績など)が行われています。まさに、あなたの考えている教師像を皆が求めているのではないでしょうか。
同時に、学校現場で責任を持って指導する為には、医者が臨床研修を受けて初めて医者として独り立ちしている様に、学校現場での研修・実習を受けた上で独り立ちの教師として仕事が出来るように、教師インターン制度を導入すべきとおもっています。
是非とも、夢をかなえてください。日本の子供たちのよい教師となられますことを心から祈っています。
ご意見ありがとうございました。