パターは首脳会談後の昼食会で渡したそうです。首相が「当時のスコアは国家機密」と話すと、普段クールな大統領の表情が一気に緩み、和やかな雰囲気に包まれたと聞きました。世界的に有名な「山田パター」が2人の橋渡し役となったことに、山形出身の1人として大変誇りに思います。ちなみに、私の使っているパターも山田製です。ただ、スコアーは腕次第の様ですが。
さて会談では、山形でも関心が高い環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉参加問題が大きな焦点となりました。
私達自民党は昨年の衆院選で、「例外なき関税撤廃が前提である限り交渉に参加しない」と公約に掲げました。日本の参加を渇望する米側の事情もあり、訪米前には、党内に「首相は無理に参加表明するのでないか」と不安が走ったことも事実です。
しかし首相は会談で、自民党の公約を丁寧に説明し、大統領と「一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」という共同声明の策定に成功しました。声明では「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに2国間貿易上のセンシティビティー(慎重な検討が必要な項目)が存在する」と念押しもできました。
交渉入りしている他国との関係上、米側がこうした文書にサインするのは極めて異例です。訪米前は、米側が文書化に難色を示していたそうですが、首相の真摯な外交姿勢が実を結んだともいえるでしょう。
「例外なき関税撤廃が前提でない」ことが明らかとなり、自民党は今後の最終的な対応を首相にお任せすることになりました。だからといって首相に全て一任とはいきません。党の政務調査会に27日、専門委員会を作りました。ここで議論を重ね、党内の声を数度に渡り、首相に伝えることになっています。
コメなど、日本の食の安全や治水のために、守るべき「聖域」はあります。各地に細かなネットワークを張り巡らせる自民党だからこそ気付く、皆様の「不安の声」もあります。首相が「聖域」をしっかり守れるよう、私も一人の党員として、またよき首相の友人として汗をかきたいと思います。