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臨時国会が8日に閉幕。会期末の国会は、特定秘密保護法をめぐり大荒れとなりました。国会の周辺は最後までデモ隊であふれかえり、皆様にも懸念や不安を持たれた方が多いと思います。 なぜわが国に特定秘密保護法が必要なのか。日本を取り巻く東アジアの安全環境は厳しさを増す一方です。防空識別圏を一方的に拡大し、軍拡を続ける中国や核・ミサイル開発を続ける北朝鮮の動きなど、10年前とは比べものにならないほど脅威は高まっています。しかし日本の弱点は、軍事や外交、テロなどの情報を海外で独自に仕入れる能力が乏しいということです。 現在国家の安全にかかわる機密情報は、残念ながら同盟国の米国や韓国、欧州の友好国などから教えてもらうことが大半です。多くの国では、戦闘機や潜水艦の能力や情報収集衛星の写真データなどを国家の特定機密に指定し、漏洩した場合の罰則を定めた法律を設けています。こうしたハードルのない日本は、他国から「もっとも情報漏洩しやすい国」とのレッテルを貼られがちで、わが国の情報収集活動に大きな障害となっていました。 直近では、シリアの化学兵器使用問題について、米国からなかなか機密情報が開示されず、日本の対処方針決定に不必要な時間がかかったこともありました。国民の「知る権利」を阻害されるのでないか。官僚にとって知られたくない情報を「秘密」扱いにされるのでないか。一部マスコミには「戦争前夜に戻る」という過激な論調もみられただけに、皆様も不安を持たれているのではないでしょうか。 安倍晋三首相は、現在政府内で厳格に情報管理されている約42万件の「特別管理秘密」のうち、9割が情報収集衛星の画像であると明らかにしています。残りは自衛隊が使う暗号や兵器の能力などです。特定秘密保護法でも同様の運用が図られる見通しです。 もちろん官僚が恣意的な秘密指定をしないために、われわれ政治家が厳しく監視の目を光らせなければなりません。政府は国会審議の最後の方で、秘密指定の妥当性をチェックする「保全監視委員会」の設置を表明しましたが、正直やや説明不足だった面もあると思います。「知る権利」は国民の大切な権利であり、官僚の体質も熟知している私として、今後は法の厳格な運用に目を光らせる考えです。 残念だったのは野党の対応です。法案は自民党、公明党、日本維新の会、みんなの党の4党で共同修正しましたが、参院の採決で維新、みんなは退席しました。そもそも民主党は与党時代、この法案の必要性を最も熱心に説いていたはずですが、今の臨時国会では、ただ採決を遅らせるための抵抗に終始した感があります。法案の修正要求も本会議採決の直前に出すなど、真剣に国家の安全保障を考えたのか疑問が残ります。 自民党は野党時代、「抵抗のための抵抗は止めよう」という国会対策を取ってきました。与野党は「決められない国会」から、卒業しなければなりません。与党としておごることなく、皆様の肌感覚も大切にしながら、国家の課題に取り組んでいこうと思います。
平成25年12月10日
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