社会保障と税・一体改革関連法案が10日、成立しました。 この直前、野田佳彦首相は自民党の谷垣禎一総裁との会談で「近いうちに国民の信を問う」と約束しました。 しかし日一日と民主党政権は混乱し、また、今回の尖閣諸島や竹島への違法な強制上陸を許すなど、 世界の中で全く信頼と存在感を失ってしまいました。国のために首相は一日も早く衆院を解散すべきです。
党首会談が行われた8日、私は谷垣総裁の側で様子を見守っていました。 総裁は数回、官邸側とのギリギリの交渉で、6月に衆院採決で賛成した法案への反対も決断しかけたことを覚えています。
一部からは「自民党は政局優先」などと厳しいお叱りも受けましたが、 その批判を押してまで、今回なぜ私たちがこのような行動を取ったのか。 それは、権力を長く持ち続けたいだけの政治を、どうしても見過ごせなかったからです。
自民党は6月15日に民主、公明両党と3党合意を結び、法案を衆院通過させました。 しかし、その後の首相らの言動は目に余るものがありました。
3党合意では、各党で意見の隔たりが大きい社会保障改革について「社会保障制度改革国民会議」を設置し、 法施行後1年以内に結論を得ることにしました。当然、財源を無視した最低保障年金の創設や後期高齢者医療制度の廃止など、 既に破綻している民主党のマニフェスト(選挙公約)は3党合意で事実上白紙撤回されました。
しかし衆院通過後、首相らは「民主党のマニフェストは堅持されている」「最低保障年金を諦めない」などと ごまかしの強弁を続けました。3党合意を結ぶ前にこの言葉を聞いていれば、我々が法案に賛成することなど到底あり得なかったのです。
加えて衆院採決で、民主党では57人が反対し、うち、鳩山由紀夫元首相ら19人は党に残りました。 しかし、私たちが反対論も多く有る自民党内を説得し、欠席者1人に留めたにもかかわらず、 与党である民主党執行部が党に造反した19名もの残留者に下したのは、ごく軽い処分だけです。
いずれも、首相は「政治生命を懸ける」と宣言した重要法案にもかかわらず、民主党内の体制維持を最優先に考えた結果です。 更に、法案の参院採決前には、輿石東幹事長らが「早く採決すると造反者が増えかねない」として、採決の遅延活動まで行なったのです。
これらの対応をみて、自民党内には「3党合意を破棄すべき」という強硬論も急速に高まりました。
そもそも民主党は先の衆院選で「無駄を省けばいくらでも財源が出る」と公言したはずです。 「増税しない」というマニフェスト違反を犯した以上、国民への信を問い直すことは最低限必要です。
また、民主党は次期衆院選で消費税増税を掲げて戦うはずですが、 そもそも野田首相は増税に反対する党内議員を公認するのでしょうか。 国会答弁では、一度公認しない方針を示しましたが、答弁した同じ日に「各選挙区ごとの事情を踏まえる」と 前言を撤回しました。自民党に消費税増税法案の協力を求めたことなど忘れたような振る舞いです。 こんなに発言が変わるようではとても信用が出来ません。
更に、今回の中国人等による尖閣諸島への違法上陸や韓国大統領の竹島への強制上陸、 また、その後の日本国や天皇陛下への侮辱発言などをみると、野田政権が何も出来ないと足下を見られ、 外交的には「舐められている」証拠です。これでは、国益を守ることが出来ません。政権交代すべきです。 |