えんどう利明--日本を、山形を、元気でいっぱいにします。
 
親日国ミャンマーへ積極支援と更なる友好関係を
 

 1月14日から訪れたミャンマーは、目まぐるしい政治的変貌を遂げていました。 民主化が進み、各国が競って投資を狙う資源国でありながら、近隣諸国では1人当り所得が最下位クラスのミャンマーに、 日本は積極的に支援すべきであると確信してきました

 私がヤンゴンに降り立った当日、ミャンマーはキンニュン元首相ら400名を超える政治犯の釈放でわき立っていました。 8年前に同じく「ともだち小学校」の贈呈式でミャンマーを訪れた時の軍部独裁による政治的緊張がウソのようです。 当時首相だったキンニュン氏は、民主化運動指導者のアウン・サン・スーチー氏と融和政策を取ろうとして、 国家評議会のタンシュエ議長(当時)との確執を生み、更迭後即逮捕されたことを覚えています

 当時は中国との関係が強化され、中国が資金を出して、昆明からヤンゴン近くの港湾まで高速道路を建設していました。 道路脇にはパイプラインを引き、マラッカ海峡を通らずに中東の原油を輸送したり、ヤンゴン沖から取れる油を中国に送る国際戦略です

 ミャンマーの人達は親日的で、出来れば日本との交流を深めたいと考えていましたが、 当時の日本は欧米と足並みを揃え、経済制裁をせざるを得ない状況にありましたので、ミャンマーは中国と関係を深めたのでした

 ミャンマーでは民主化が急速に進み、2010年11月には新憲法に基づく総選挙が実施されました。 直後にスーチー氏の軟禁が解除され、世界的ニュースにもなりました。昨年末には、アメリカのクリントン長官が同国を訪問、 早速今月になって経済制裁の一部解除を決定しています

 また、私達の今回の訪問時には英仏外相もミャンマー入りしており、欧米との緊張緩和を実感しました。 欧米は天然資源が豊富で、経済発展が見込めるミャンマーとの関係改善を競うように進めているのです

 今回ヤンゴンで、私はテイン・セイン大統領に「なぜ今政治犯を釈放するのか」と尋ねました。 大統領は、1月15日から国会議員の補欠選挙の申込みが始まることから「政治犯だった人も選挙に立候補出来るように釈放した」と説明して下さいました。 補選の定数は40との事ですが、「40議席をすべて(スーチー氏率いる)国民民主同盟(NLD)が占めても構わない」とのこと。 この言葉には驚きました。「タンシュエ氏が院政を敷いている」との噂もありましたが、目の前の大統領はしっかり実権を握り自信に満ちているように見えました。 今の大統領はかなり開明的です。未だに軍出身者が政治のトップですが、軍政はあまり意識しなくていいとも感じました。 少数民族と政権との対立も問題でしたが、最近国内に350万人いるカレン族とも和解し、治安面でも安定化が進んでいます

 ミャンマーの街は殺伐としていませんでした。カンボジアで味わったドライな雰囲気とは違う「ウエット感」が満ちています。 周囲をタイ・中国・インドに囲まれた交通の要諦であるという地政学的利点などもあり、経済発展の潜在性は抜群。 まだアジア最貧ともいえる経済状況ですが、市民の表情は実に明るいものでした

 アメリカはミャンマーを味方につけようと動いています。中国海軍が東南アジアに進出する出口を塞ぐ狙いもあり、 昨年12月のクリントン国務長官の訪問がそれを証明しています

 日本も欧米の後塵を拝してはいられないと痛感しました。 ミャンマー国民は大変親日的です。ミャンマー国内では第2次世界大戦のインパール作戦で戦死した日本兵を手厚く葬ってくれていますし、 建国の英雄であるアウン・サン将軍が日本人の支援を受けて独立を果たしたこともあって日本の歌を歌える関係者も多数います。 親近感を抱いて貰っているという利点を生かした積極的なアプローチが必要です

 
平成24年2月10日 
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