今年最後の臨時国会が9日に閉会しました。
野田政権初の本格的な国会審議となるはずでしたが、政府提出法案の成立率は34%に留まり、平成以降で最低です。 民主党は重要法案について、何としても成立させたいと言う与党としての責任感も意欲もありませんでした。
今国会で成立した主要な法律は、本格的な復興対策となる第3次補正予算と復興財源を確保するための財源確保法、 復興庁設置法くらいです。私たち自民党は、政府の対応が悪くて復旧がなかなか進まない事や、 復興の進め方に異論がありましたが、一日も速い復旧・復興のためにはと全面的に協力・賛成致しました。 しかし、11月21日に補正予算が成立すると、民主党の国会運営はガタガタになりました。 復興費を捻出するために国家公務員給与を7.8%削減する臨時特例法案は、 自民党・公明党の修正案を民主党政調会長が一旦は了承したのに、 選挙で応援してもらっている公務員の労働組合が反対だからと拒否してしまい、結局成立しませんでした。 その為に、法案が成立すると年2900億円を復興財源に廻せたのに、そのまま公務員の収入と言うことになりました。 例年の人事院勧告に基づく給与調整(0.23%カット)も実施されず、公務員の給与は震災前と変わらないままです。
自民党が修正協議に協力した労働者派遣法改正案も、民主党は会期末直前にみんなの党との調整に失敗し、 すべてご破算となりました。衆院選での「一票の格差」是正に向けた法案も先送りです。
そもそも国会審議を最も滞らせたのは、社会人としての資質をも疑われる 一川保夫防衛相と山岡賢次消費者問題担当相兼国家公安委員長の言動でした。
一川氏は就任直後「私は(防衛の)素人だから本当の文民統制」と言い放ったかと思えば、 ブータン国王夫妻の宮中晩餐会に欠席して民主党議員のパーティーに出席し暴言を。 更に前沖縄防衛局長の暴言に絡み、平成7年の米兵による沖縄少女暴行事件について「詳細に知らない」と 信じられない答弁まで繰り出しました。国民の生命を守る自衛隊の指揮官として、資質も責任感もありません。
山岡氏は、被害相談が相次ぐマルチ商法業界から多額の献金を受け取り、 マルチ商法の広告塔として業界主催の講演会で熱弁を振るった事実が明らかになりました。 更に現在、大臣の関係者が選挙違反で検察庁の取り調べを受けています。野田総理がそんな国会議員を、 警察のトップである国家公安委員長と消費者トラブル対策を司る消費者担当大臣に任命すること自体がおかしいのです。
私も自民党の調査チームに参加しましたが、衆院選での運動員買収疑惑や、 自分の後援会長に違法な形態で献金をせがむなど、様々な疑惑に呆れるばかりでした。 自民党は参院で2人に対する問責決議案を提出し、可決されました。しかし野田総理は2人を続投させる構えです。
さて、総理は消費増税をめぐる与野党協議を呼びかけていますが、2年前の衆院選挙でのマニフェストでは、 16兆8000億円のムダな予算があるから4年間は消費税は上げないと訴えました。 もし、消費税増税をするなら、先ずは間違いを認めた上で、消費税を上げる事を正直にマニフェストに書き、 解散・総選挙で国民の信を問うべきです。
それが野田総理の言う『正心誠意』ではないでしょうか。 |