大型連休が明けましたが、国会は不思議な静けさに包まれています。
東日本大震災から2ヶ月。本来なら、本格的な復興対策となる平成23年度第2次補正予算案の編成や、 国家予算の約半数を賄う赤字国債発行のための「特例公債法案」の審議などでフル回転していなければなりません。
しかし、政府・与党から聞こえてくるのは、6月22日までの通常国会の会期を延長せず、2次補正予算案は秋の臨時国会に先送りしようという消極論ばかり。少しでも菅直人首相が国会で追及される時間を減らそうという姑息な考えに他なりません。未だ行方不明者は1万人を超え、原発事故も収束していないというのに、これでは被災者そっちのけの政権延命策と言われても仕方ないですね。
「特例公債法案」にしても、政府・与党から「何が何でも今国会で成立させよう」という気迫は伝わって来ません。
自民党は法案成立の前提として、子ども手当や戸別所得保障など「バラマキ4K」を撤回し、その財源を復興費に回すよう求めています。4月末に「民主党が速やかに見直し案を提示する」ことを盛り込んだ民主・自民・公明3党の合意が成立しました。
しかしそれ以降、民主党内の調整は遅れています。岡田克也幹事長は「5月中に成立させたい」と話してはいますが、小沢一郎元代表に近い勢力らがいまだ「4K」に固執しており、菅首相が彼らを十分説得し切れていません。今では「特例公債法案は成立しなくとも、9月くらいまで財政に穴は開かない」など、無責任なうわさ話すら聞こえてきます。
自民党は2次補正案も特例公債法案も速やかに国会で審議を行い、復興を前に進めようという思いでいっぱいです。「無駄な政策の削除」など、審議に協力するための条件もかなりスピーディーに取りまとめ、民主党との調整をしたのです。
特例公債法成立への環境整備はのらりくらり、2次補正は後回し・・・・・・。原発被害への賠償についてもスキームは作っても、そのための法律案は秋の臨時国会でと、 国民からはもちろん、民主党内からも湧きあがる「菅降ろし」を一服させるため、批判を受ける国会での審議は無くしたいという魂胆なら、これほど被災者をバカにした話はありません。
通常国会の会期は1回延長できます。6月22日までの会期を延長し、震災対策に目途がつくまで毎日国会を開催するぐらいの気持ちで、一連の復興対策を早急に練り上げるべきだと思っています。
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