7日午前、中国漁船が尖閣諸島・久場島沖で海上保安庁の巡視船に追突、海上保安庁はこの船長を公務執行妨害罪で逮捕しました。9日、この船長を勾留するとともに19日さらに10日間の勾留延長を決定しました。
これに対して中国国内では日本政府への抗議活動が活発になり、中国内にいる日本人が不安におびえています。更にまた19日夜、中国政府は日本政府に対して『閣僚級交流の停止』などの対抗処置を発表し、両国間の関係が悪化しています。
しかし、中国の対応は全くお門違いです。何よりも尖閣諸島は日本固有の領土であり、日本領海での違法操業ですから本来はその段階で拿捕するのが当然です。さらに今回は、海上保安庁船へ体当たりをしてきたのですから、公務執行妨害罪で日本の法律に基づいて粛々と対応するのが当然です。
この問題に対しての日本政府の対応は全く怠慢でした。何よりもこの事件当時の状況を撮影したビデオテープがあるのに、中国内で勝手にねつ造したと思われるテープがインターネット内で流され、世界での評価がさも日本側の失態であるようになってしまいました。
日本の国益が侵されようとしているのに、更に、我が自民党が事態を憂慮し、中国政府への正式な反論とともにビデオオテープを公開すべきと日本政府に申し入れましたが、政府が民主党の代表選挙で忙しいからと、対応が後回しになってしまったのは言語道断です。
そして、もう一つ大きな問題があります。それは、中国政府が、民主党政権になってからの日本は、日中間の問題については中国に遠慮して物事を解決する筈だと思わせてしまったからです。昨年暮れ、中国の習近平国家副主席が日本訪問をした時、中国におもね、時の鳩山総理が規則を曲げてまで天皇陛下との会見を設定したため、更に、時の小沢幹事長が百数十名の国会議員団を引き連れ、あたかも湖錦濤国家主席に謁見させたような行為が、無理を言えば日本政府は中国の言う事を聞くと思い込ませてしまった事にあります。
更に、日米関係の悪化も原因の大きな理由です。尖閣諸島は日本固有の領土であることはアメリカ政府も認め、日米安保の対象内であると言明してきました。しかし最近、沖縄の普天間基地の件で、鳩山総理が日米間の約束を守らず、しかも守らない事がさも当然の如くしているため日米韓の信頼関係が悪くなり、明言を避けるようになってきました。
「無理が通れば道理引っこむ」を認めるわけにはいきません。 |