3月2日、平成22年度予算が衆議院で可決され、参議院の審議に回りました。憲法60条の規定から、予算審議は衆議院の議決が優先するため実質的には成立したと同じです。
国会の仕事は、主に@予算の承認 A法律の成立 B条約の批准 C総理大臣の指名です。毎年1月から始まる通常国会での新年度予算審議はそうした意味でも大変重要です。
今回の予算審議は、まずは総理大臣・与党幹事長を筆頭とする「政治とカネ」の問題が大きなテーマになってしまいました。さらに北海道の教職員組合の政治献金違反など、国民の皆さんから大変強いブーイングです。民主党自体の数々の違反を棚上げし政治資金規正法を改正したい等、本末転倒な流れになってきております。
新年度予算の内容については議論が今ひとつでした。自民党の質問も与党慣れしてしまってピリッとしないと皆さんからお叱りを受けましたが、それ以上に政府から明確な答えが出てきません。特に、鳩山総理は何を言っているのか、「友愛」の言葉遊びだけでは意味がわかりません。
3閣僚の参議院予算委員会の遅刻に至っては、参院軽視、衆院予算可決で弛んでいるとしか言いようがありません。少なくとも自民党政権時代、こういう不適切な態度を獲る閣僚はいませんでしたし、閣僚は野党のどんな質問にも答えられるように心構えもあったと思います。政権交代は結構ですが、少なくとも、閣僚の水準だけは下げないで頂きたいとも思います。
その予算ですが、一番のポイントは将来の財政健全化の方向が全然見えない事です。新年度予算も、「子ども手当」や「農業の戸別所得補償」、「高速道路の無料化」など、まるで社会主義政権の様な「バラマキ」予算で財源の裏付けが全く見えず、国民の皆さんも一層心配になります。
平成22年度予算では、税収が減っているのにバラマキのため前年度から4兆円も歳出が増えたのですが、選挙前には予算の無駄を探して、組み替えればすぐに財源が確保できから大丈夫だと言っておりましたがそれが見つからず、前年度予算より5兆円も多く借金する事になっています。「子ども手当」も中学生まで一人当たり1万3000円を支給するのですが、借金が増えるため何年後かにその子供に借金を返済してもらわなければなりません。民主党の方針で行くと、平成23年度は「子ども手当を2万6000円」にするなどさらに7〜8兆円の借金を増やすことになり、赤字まみれの日本になってしまいます。結局は子供や孫たちにその借金を先送りしてしまうことになってしまいます。
借金を増やさないようにする解決策は2つです。バラマキを止めるか、増税するか、です。それでなくても医療費が増えることなどで今後まだまだ支出が増えていきます。まずは、こうしたバラマキ政策を止め、むしろ医療費など国民の安全・安心を守る施策により重点的に考えるべきであり、そうした施策のために景気動向を見ながらも消費税などを検討すべきです。 |