大連立政権構想の挫折と、小沢民主党代表の摩訶不思議な行動。
11月2日、福田総理大臣と野党第一党の小沢民主党代表が3回目の党首会談を行い、大連立政権をつくることで合意しました。私たちには寝耳に水の話しであり、たいへん驚愕しました。数日前の党首会談では、与野党の政策協議は進めるが、@連立はしない A選挙協力はしない B公明党との信頼関係は壊さない、との報告を受けてい ましたので、その範囲内での合意だと思っていたからです。
それに加えて私たちとしては、そう遠くない時期に行われる解散総選挙で民主党候補と戦わなければならないのですから、当初は困惑しかありませんでした。しかし、冷静に考えれば「福田総理は私心を捨て国のために決断されたのだ」ということが理解でき、大連立政権に違和感はあるものの、敬意をもって受け止めておりました。何故なら「ねじれ国会」の中で、その時点まで一本の法律も通っておらず、国民生活や外交など国にとって緊急な課題が山積している状況を考えれば、全ての責任を持つ福田首相が、ひとつの打開策として連立を認めるのは止むを得ないと考えたからです。また、外交のみならず、これからの医療や年金など社会保障制度の確立と税制の議論は、与党だけでなく全党派が協力して解決していくべき問題だと思うからです。
ところが党首同士の約束にもかかわらず、小沢代表は民主党国会議員たちの反対で大連立構想をあえなく撤回、本人も辞任の表明をいたしました。記者会見では、「民主党国会議員にはまだ政権運営能力がなく、このままでは衆議員選挙で敗北をする」といった内容の発言をしたのです。
7月の参議院選挙では政権交代を訴えて選挙をし、民主党の勝利後は「自分たちが国民に信頼された」と言って自民党は下野をして政権交替すべしと迫ったのに、今頃になって「自分たちには政権能力がない」とは全くいい加減なものです。
そして、それ以上に摩訶不思議なのは「政権能力がない」と言われた民主党国会議員たちが小沢氏に対して引き続き代表にとどまることを要請し、小沢氏のほうもそれを受けて代表に戻ってしまったことです。こんなお粗末な組織で政権交代を迫るとは到底理解ができません。
しかし、小沢氏の本心としては、やはり「政権に入りたい」のではないでしょうか。自ら「次の選挙で勝てない」と発言し、「自分たちの政策を実現するためには連立政権が必要」との判断に立っていました。そうすると、どこかのタイミングで再度必ず連立政権を仕掛けてくるはずです。
我が自民党は、そうした動きに引きずられることなく、来年度の予算編成や税制の改正など、目の前の重要課題ひとつひとつにしっかりと取り組んでいかなくてはなりません。 |