文部科学副大臣に就任しました。
9月26日、安倍晋三さんが第90代の内閣総理大臣に就任し、安倍内閣が誕生しました。総裁選挙中からの公約であった「教育再生」「再チャレンジ」「イノベーション」を通じて経済成長の促進やアジア外交など、多くの課題に取り組んでいかなければなりません。
そうした中で、私は27日、安倍内閣の最重要課題のひとつである教育再生を担当する文部科学副大臣に就任することになりました。教育は、私の政治家としての原点です。これまでも自民党文部科学部会長や文教制度調査会事務局長などを務め、今回も自ら文部科学を希望しました。
27日午後4時、皇居に参内し正殿松の間において認証式に臨み、天皇陛下から文部科学副大臣の認証をいただきましたが、改めて責任の重さを感じました。その後、総理大臣官邸で最初の副大臣会議があり、安倍総理から内閣としての基本方針が表明されました。
副大臣就任にあたり、子供の学力・体力の低下や、少年に関係する事件の多発など、課題の多い日本の教育を再生し、明日を担う科学技術をさらなる領域に高めていかれるよう、全力で取り組んでまいります。
■副大臣新任にあたってのご挨拶。(9月28日・文部科学省でのスピーチより)
皆さんこんにちは。この度、文部科学副大臣を仰せつかりました遠藤利明です。
私の第一の仕事は、同じく副大臣の職に就かれた池坊保子先生のボディーガードをすることかと思っております。おそらく官邸と、これからいろいろなバトルがあるかと想像されますし、もしかすると女性の戦いになるかもしれませんが、そのときに後ろからけしかけたり、たまには間に入ってなだめたり・・・そんなことをするのが私の役割ではないかと考えている次第です。
さて、冗談はさておきまして、私自身、昭和48年に学校を卒業し、国会議員の秘書になってから早いもので30数年が経ちました。あの当時と現在とを比べ「いちばん変わったことは何かなぁ」と思いを巡らせますと、当時はこれから高度成長期に向かう時代でしたから、「いけいけ、どんどん」の空気がみなぎっていました。それからの右肩上がりの時代、日本という国は、モノを作ったり、仕組みを作ったりする人を大事にしてきたのではないかと思います。
ところが最近ではようすが大きく違ってきました。私は地元に行って、いろいろな方々のご要望も伺いますが、どちらかというと受け手側といいますか、利用者だったり、消費者だったり、そういう人びとの意見をより大事にしないと物事が進まなくなりました。いま、国は行政改革を推進していますが、私たちはまず、そうした意識の転換を図らなくてはなりません。送り手ではなく、受け手側からの発想。それが今の行政改革の一番の基本ではないかと思うのです。
そのように考えたとき、さて、文部科学省はどうでしょうか。教える側とか、制度を作る側のことを優先し、進めている部分はないでしょうか。私は、教育の現場でいちばん大事なのは「子どもたちが、どうしたらたくましく生きていかれるか」を考え、導くことではないかと思っています。学校の先生の立場ではなく、まずは生徒がどうやったら良くなっていくかを考えなくてはなりません。一例として英語教育の話がありますが、中学・高校の英語の先生が6年間も指導してきて「英語がわからない」という生徒が大勢います。こうした事実は、英語の先生個人の能力もさることながら、教師の質を高める研修制度等、仕組みづくりのほうにも問題があるのではないでしょうか。そうした発想の転換を、文部科学省の皆さんから率先してお願いしたいと思います。
そのような気持ちがあって、キャリアの方々に「現場に行くように」といった話を何度もしておりました。やはり現場からの視点をもちませんと、日本の教育は、時代の流れといいますか、いま求められている状況に対応できないことになってしまいます。私は両親が教師でしたので、子どもの頃からそういう家庭に育ってきて、現場の先生が何を考え、どう動いているかを見聞きしてきました。また、私の後援会の幹部はほとんど学校の先生ですから、いまでもなんだかんだ言われます。その意味では、私自身、現場を知っている部分もありますので、少し口うるさく感じられる時もあろうかと思いますが、私の真意を汲み取っていただけますようお願いいたします。
文部科学省の仕事は、これからの日本をつくる子どもたちをつくっていく。そして、この国を担う大きな原動力である科学技術をつくっていくことです。そうした意味では、まさに日本にとって最も重要な役所ではないかと思います。「私たちがいなくては、明日の日本は成り立たない」。そんな気概をもって、ぜひ皆さんに仕事をしていただきたいと思います。
これから、皆さんと一緒に、そして伊吹大臣、池坊副大臣とともに頑張っていきたいと思います。変えるべき時は変えなくてはなりませんし、守るべきものはしっかり守っていく。まさに、不易流行という言葉がありますが、そんな気持ちを大切に、皆さんにしっかり取り組んでいただき、それを私たちで支えていきたいと思っています。
少しかっこをつけて喋ってまいりましたが、たまにはお酒でも酌み交わしながら未来を語り、また仕事を通じて、皆さんとおつきあいさせていただきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
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