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永田泰康議員の偽メール事件に思う。

 国会の予算委員会における永田泰康議員の暴露メール事件は、結局偽メールであったことが明らかになりました。永田議員は記者会見で陳謝するとともに、自分の進退を所属する民主党の鳩山幹事長に一任し、民主党もその責任を認め、野田国会対策委員長が辞任をするという大問題に発展しました。民主党は、国民の支持率の大幅な低下を余儀なくされるとともに、これをきっかけにして「組織の溶解が始まった」とさえ言われています

 マスコミもこの問題を大きく取りあげ、連日さまざまな論評が展開されていましたが、私なりの視点からとらえ、今回の問題にはいくつかの原因があると思います

 第一に考えられるのは「政治家の素人化」です。これまで国民の多くは「政治家は特権階級に属する人であり、国民の声を聞かずに自分の利害関係を中心に政治を行っている」という先入観をもっていたようですが、その反作用として、「これまであまり政治には関係なかった、若くて経験の浅い人」が国会議員に当選するようになってきました。新鮮で国民の立場に立った言動をする政治家が増えたことは良いのですが、同時に国会議員として最低限守らなければならない規則や責任の重さについてきちんと認識していない人も見かけるようになりました

 憲法51条には「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない」とありますが、その前提として、誰よりも国民の名誉やプライバシーが守られなければなりません。今回の永田議員の発言は、こうした国会議員としての基本中の基本を逸脱した行為であったといえるでしょう

 第二は、自分の信念を持たず、大衆の意見やムードに迎合しすぎることです。政治家にとって大切なのは、国民の声を国会の議論に反映させることですが、それは単に世論調査で最も多かった意見をそのまま発言することではありません。一つの課題にはいろいろな考え方があり、いくつもの意見がありますが、そうした意見を自分の頭で咀嚼し、その上で自分の導き出した意見として発言することです。残念ながら最近は、自分で培ってきた永年の経験や知識に基づかず、ただの「迎合」とも思えるような発言も多く聞かれます

 第三は、政治家がテレビをはじめマスコミへの出演を重視するあまり、いつの間にか自分が目立つように、興味をひく話題を提供しようとする傾向にあることです。テレビ出演が多くなるうちに、推測の域を出ないことまで話題にする政治家が増えてきました。風説の流布ともとらえられる発言をする政治家も目立ちます

 こうした、ただ目立つことを好む政治家が増えた背景には、現在の小選挙区による選挙制度の問題もあると思われます。相手を誹謗するネガティブキャンペーンが多くなったのも、そうした制度の欠陥の現れで、私にはとても好まい状況とは思えません。 中選挙区制への移行を考える等、選挙制度の見直しが必要です

 今回の永田議員の問題も、その根底には上記のようないくつかの原因があると思われます。国会議員には、ただ若いだけではなく、深い識見と品格と、強い責任感など、人間としての資質が必要であると考えます。
  私自身も肝に銘じて自己を磨いていきたいと思います


平成18年3月14日 
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