第164国会の開会された日に感じたこと、考えたこと。
第164国会が開会しました。召集は1月20日、東京に5年ぶりの大雪が降った前日でした。議席の指定や委員会の所属が伝えられた後、小泉首相の施政方針演説や、谷垣(財務)、麻生(外務)、与謝野(経済財政政策担当)各大臣の演説が行われ、150日間の論戦がはじまりました。
小泉総理は、経済回復の現状を受け就任以来5年間にわたる改革の成果について強調するともに、任期の切れる今年9月までに一層の改革を進める決意を表明しました。また、各大臣は所管の施策について説明すると同時に、それぞれの立場や日本の進むべき方向性を示唆した演説を行いました。
谷垣大臣:「自助努力によって活力が生まれるのは大切だが、勝ち負けの拡大によって社会にひずみが出ている現状を鑑み、地域や家庭、国と国との『絆』を再構築していきたい」。麻生大臣:「日本という国の世界における重要性を考えて、言葉や情報の重みを認識しなくてはならない」。与謝野大臣:「失われた十年が終わり新しいステージに入った。」と、同じ内閣でありながら、それぞれの考える国の価値基準や方向性の違いを示し、さながら9月に行われる自民党総裁選挙の前哨戦となる立会演説会のようでした。
これからの日本のあり方を決定づける選択として、「小さな政府」でいくのか「中くらいの政府」か、あるいは「大きな政府」を望むのか、といった議論があります。
小泉総理は「個人の自助努力を基本にした『小さな政府』を目指す」とアピールし、谷垣大臣は「自助努力は大切だが、社会を形成する人と人が助け合う『中くらいの政府』が望ましい」と唱えています。平たくいえば「国のサービスはあまりいらないから税金は少ないほうがいい」と考えるか、「相応の負担を出しても安心して暮らしていくためのサービスがほしい」と考えるのか、という選択でもあります。
現在の日本はいわば「中福祉小負担」の国家です。しかし、少子高齢化が進むとともに医療費や年金負担が増加する中で、行政サービスを今までのように維持しようとすれば、税金や保険料の掛け金を増やしていかざるを得ません。もちろん、その前に徹底して行政の無駄を省く行政改革を推進していくのはいうまでもありません。
私の持論としては「中福祉中負担」、つまり「中くらいの政府」が望ましいと考えています。個人の自助努力を前提としながらも、それぞれが助け合う共生社会を築いていくべきです。
9月の自民党総裁選挙は、日中問題をはじめとしたアジア外交と消費税が大きなテーマですが、私は「どのくらいの国を目指すのか」という選択こそが国政の原点だと思います。
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