CSRという言葉をご存じでしょうか?
過日、(株)資生堂の池田社長をお迎えし、国会議員による「CSR勉強会」を開催しました。
CSR(Corporate Social Responsibility)とはまだ聞きなれない言葉ですが「企業の社会的責任」という意味で、近年ヨーロッパを中心にこの取り組みが活発になってきています。
環境や生産手段などを基準化したISOや、芸術・文化の振興に寄与するメセナなども、企業の社会活動として重要視されてきましたが、そうした動きに加えて「CSRこそがこれからの企業にとって大切である」との考え方も芽生えつつあります。我が国では日本経団連などが中心となって「企業は(その下請けや孫請けも含め)雇用や環境をはじめ、社会全体に配慮をしながら経済活動を行っていくべきである」との普及・啓蒙活動を進めています。
かつて、スポーツ企業の「ナイキ」が、海外の孫請け企業で少年の違法労働を黙認していたとして糾弾され、株価が大きく低下したことがありましたが、これなどは社会的責任をきちんと果たしているかどうかによって企業の存在価値が判断された例ともいえるでしょう。単に目先の業績だけでなく、こうした活動を企業の価値と結びつけて評価する債権(SRI)なども発行され始めています。
私も、自分が行うべき仕事のひとつとして、アジアの子供たちにより良い教育環境を提供していきたいと考え、カンボジアやラオス、ミャンマーなどに6校の「ともだち小学校」を建設、贈呈)・早B してきましたが、こうした社会貢献については大変関心をもっています。CSRにつきましても昨年、森田一衆議院議員に会長をお願いし、私は事務局長としてこの勉強会を立ち上げ、経済産業省や経済界の皆さんとともに研鑽を続けてきました。
(前回は、富士ゼロックスの小林陽太郎会長をお迎えしての会合でした。)
また、今回講師をお願いした池田社長からは、資生堂がこのCSR活動に熱心な様子を伺うとともに、「江戸時代の京都における近江商人の経営理念として知られる『三方よし』、つまり『売り手よし、買い手よし、世間よし』こそがCSRの原点である」といった貴重な意見を拝聴しました。
CSRの考え方は、これからの経済・産業界の主流になっていくことでしょう。とはいいましても、まだまだ企業においても社会においてもその実態と認識があまりありませんし、国会や政府の内部でもさほどの関心が払われているとは思えません。
私はこれからも、若手国会議員を中心としてこうした活動を続けていきたいと考えています。 |